人生会議ポスター発送中止~愛知県のライターは見せ方と炎上を考える~

2019/11/29 ブログ
title

おはようございます!

『文字のチカラは、あなたのチカラに。』のキャッチコピーでおなじみ、愛知県西尾市で広告制作をしているオフィスリバーインです。

 

今回は、先日からニュースなどで話題になっている『人生会議』のポスターが発送中止になった問題について考えてみました。

 

【目次】

1.『人生会議』ポスターとは

2.何故、発送中止になったのか?

3.ネットの声は……

4.ボディコピーは、間違っていない!?

5.炎上を恐れるな?

 

今回の目次は、上記の5項目です。詳細は下記をご覧ください。

 

 

1.『人生会議』ポスターとは

そもそも「人生会議」とは、もしものときのために、あなたが望む医療やケアについて前もって考え、家族等や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有する取組のことを言います。現在厚生労働省が普及・啓発を呼び掛けています。

もともとは、「ACP:アドバンス・ケア・プランニング」という名前で、普及・啓発を進めてきましたが、より馴染みやすい言葉となるよう、昨年愛称を「人生会議」という名前に変わったようです。

その「人生会議」を普及させるポスターを、厚生労働省が制作をしました。

そのポスターには、愛称の選定委員でもあったお笑い芸人の小藪千豊さんが、自分の思いが正しく伝わっていなかった患者を演じているビジュアルとなっています。

title2

ポスターとしては、インパクトがあると思います。

広告は、まずビジュアルが人の目に留まります。その後、キャッチコピーなど中身を見ていきます。

広告のルールとしては特に申し分はないのですが、このポスターが今、波紋を広げています。

 

 

2.何故、発送中止になったのか?

titile3

インパクトのあるこの「人生会議」ポスターですが、実は発送中止になってしまいました。

ポスターは、厚生労働省が吉本興業に委託して、1万4000部を作成したとのこと。

これだけ多くの部数を用意したにも関わらず、このポスターについて、がん患者団体や医療関係団体などから多くの苦情は批判が殺到したのです。

この経緯があったことから、厚生労働省はポスターの発送を中止することを発表しました。


加藤勝信厚生労働大臣は、11月28日に行われた参院厚労委員会で、ポスターが批判されたことに関して「患者や遺族を傷つけるとの意見を真摯に受け止める」と述べ、立憲民主党の田島麻衣子氏への答弁には「伝わり方を常に考えないといけない。もう少し丁寧な対応をしておけば良かった」と釈明をしました。(共同通信社より)


「公費はいくらかかっているのか」という田島氏の質問に対し、厚生労働省の局長は「吉本興業と4070万円の委託価格で契約した」と明らかにすると、委員会室でどよめきが起きたそうです。(朝日新聞より)


この問題は、しばらく収拾がつきそうになさそうです。

 

 

3.ネットの声は……

title4

ネット上には、賛否両論、様々な声が飛んでいます。

【賛成の声】

・当たり障りのないものを作っても目に止まらず結局伝えられない

・何がダメなのか全く分からない

・神経質になりすぎなんじゃない?

・これだけ話題になったということは、この広告は大成功だと思う

・これこそ「表現の自由」なんじゃないの

・主題の内容が伝わっているのだから、価値があるんだと思う

 

【反対の声】

・しょーもないことに金使われてるんですね…

・そもそも小藪とか起用するのが間違いの始まり

・このような重いテーマに、芸人使って目立てばいいの軽薄な手法は馬鹿にしてるわ。

・単純に顔がキモい

・がん患者に失礼

・不安をあおるもの

 

ネットという不特定なこともあって、両者とも意見がバンバン出ています。

広告に限らず、何かが起こると必ず賛否両論、双方の意見が出るのは致し方ないことだと思います。

賛否の声はそれぞれありますが、賛成の声にもあるように、このように話題になるということで「人生会議」という言葉は注目されたので、広告としては良くも悪くも成功していると考えます。

 

 

4.ボディコピーは、間違っていない!?

title5

このポスターのキャッチコピーには、「命の危機が迫った時、想いは正しく伝わらない。」と書かれています。

また、ボディコピーと言われる、キャッチコピーとは別にポスターの内容について書かれている箇所には、以下のように書かれています。


まてまてまて

俺の人生ここで終わり?

大事なこと何にも伝えてなかったわ

それとおとん、俺が意識ないと思って

隣のベッドの人にずっと喋りかけてたけど

全然笑ってないやん。

声は聞こえてるねん。

はっず!

病院でおとんのすべった話聞くなら

家で嫁と子どもとゆっくりしときたかったわ

ほんまええ加減にしいや

あーあ、もっと早く言うといたら良かった!

こうなる前に、みんな

「人生会議」しとこ


小藪さんの話し言葉のように書かれている内容です。モノローグのように、直接は話していなくても寝たきりになり話すことができない立場から、心の声を伝えています。

この表現的には問題はないと、広告制作を仕事としているオフィスリバーインは考えます。一個人の意見ですので、あしからず。

これも一概には言えず、見た人の受け止め方次第だと思います。実際、がん患者団体の方が「「がん=死」を連想させるようなデザインだけでもナンセンスだと思いますが……」と抗議をしています。

内容の中に、がんを連想させるキーワードやビジュアルは一切入っていないのですが、やはり見た人の受け止め方次第ですね。

 

 

5.炎上を恐れるな?

title6

先日、ネットニュースで、作家の筒井康隆さんの記事を見つけました。

そのタイトルは、『「炎上を怖がっちゃいけない。電源を抜いたら消えてしまう世界です」――筒井康隆85歳が語る「表現の自由」』でした。

そのニュースは、こちらです。

記事の中で、筒井さんはこのように語っています。


「企業が倒産したり自殺者が出たり、いろんな弊害が出てきて、是正しようとなる。今は匿名性があるから野放しになっているけど、誰が書き込んだか分かるようにするとか、そういうふうになっていくと、今度は逆の弊害が出てきますよね。ちょっとした悪口に至るまで書けなくなったり。そういう自由はあったほうがいい」


様々な意見があることは、それぐらい注目をされているということです。それを怖がっていては、結局のところ良いものだって作れないということですね。

 

また、このようなことも書かれていました。


今も「作家は自己規制してはならない」「小説に限界はない」と断言する。

「作家は頭の中を無政府状態にして書かなきゃいかんですよね。無政府状態だからいろんなものが出てくるわけだし、弾圧されたら、それに抵抗しようとしてまたいいものができる。『あの人に迷惑がかかるから』と気にし始めると、作家がだんだんいい人になって、何も悪いことはしない、変なことは書かない。人は、そういう作家の書いた作品を読みますか。面白くないでしょ。やっぱり読まれるのは、何かやばいことが書かれていそうだったり、タイトルを見てハラハラドキドキしたりするもの。不愉快なものを愉快がる人もいるわけです。糞尿愛好者だっているんだから」


誰かのことを気にすることで、アイディアに制限がかかってしまいます。

拾ったごみを分別するのとは訳が違い、クリエイターは落ちているネタをとにかく拾いまくります。その中で、上記のように規制をかけてしまうと、面白い発想だって面白くなくなってしまいます。

長年作家活動をされてきた筒井さんの言葉だからこそ、重い説得力がありますね。

 

 

今回は話題のポスターについてのお話と、付随する形で今日の炎上について整理してみました。

炎上をしようが、クリエイターの根本にあるのは、「クリエイト」という言葉の通り、「創造すること」なのです。

オフィスリバーインは、アイディアを拾いまくり、面白い創造をこれからもしていきたいと考えます。

 

最後までご覧いただき、ありがとうございました!