脚本の世界は、究極のフィクション~愛知県でライター業務・広告制作を行うオフィスリバーインのブログ~
おはようございます!
『文字のチカラは、あなたのチカラに。』のキャッチコピーでおなじみ、愛知県西尾市で広告制作をしているオフィスリバーインです。
今回のブログは、脚本における究極のフィクションについてご紹介していきます。
【目次】
1.ドラマの世界は、フィクションである
2.愛憎劇+珍料理
3.フィクションなのにツッコミが入る
4.あの人たちは、実在しない!?
詳細は下記をご覧ください。
1.ドラマの世界は、フィクションである
10月も半月以上が経過し、10月期のドラマもほとんどの作品がスタートしました。
『相棒』『科捜研の女』『ドクターX』とシリーズもののラインナップとなっているテレビ朝日系列ドラマや、関西テレビ制作火曜10時枠から移動した月曜10時枠の『アバランチ』、原作小説を元に何度もドラマや映画化がされた『日本沈没』が放送されている日曜劇場枠など、今期のドラマも話題作の目白押しとなっています。
ドラマとは、人の手によってつくられた作り話や創作、つまり『フィクション』の世界なのです。現実世界をイメージしたり、登場人物が実在する人物であったとしても、全てが同じように再現されているわけではありません。実在する人物が本当に何かをしている映像を映したらそれはドラマではなく『ドキュメンタリー』になります。しかし、普段皆さんが見ているドラマというのは『ドキュメンタリー』ではなく『フィクション(創作)』です。
そのフィクションの中で、独特の世界観を描くのが脚本家の仕事になります。
2.愛憎劇+珍料理
脚本家・中島丈博氏が昼ドラの作品を書かれたときに「究極のフィクション」と語られており、独特の感性で描かれる作品の世界観は話題を呼びました。
中島氏が手掛けた昼ドラ脚本作品は「真夏の薔薇」「真珠夫人」「牡丹と薔薇」「偽りの花園」「さくら心中」「赤い糸の女」「天国の恋」など、全部で11作を執筆されました。
昼ドラ=ドロドロ愛憎劇の中でも、世間で話題を呼んだ作品を何作も世に出された中島氏ですが、フィクションだからこそできる、独特の世界観があります。
それは、主婦の怒りと狂気を表現するために用いられた珍料理にあります。愛する夫を他の女に奪われる怒りを自らの夫にぶつけるために、夫に珍料理を食べさせる場面が出てきます。「たわしコロッケ」「財布ステーキ」「草履カツレツ」「五寸釘入り玄米パン」「携帯ケーキ」「愛の歴史ケーキ」という、珍料理を登場させることでお茶の間に衝撃を与えたのですが、これこそ中島氏が考える「究極のフィクション」の中で描いた世界観なのです。
3.フィクションなのにツッコミが入る
ドラマとはあくまでも創作の世界なので、現実世界ではありえないことが当然起こるものです。しかしそのフィクションと現実世界の区別がつかないのか、ドラマの内容にツッコミが入ってしまうこともあるのです。
特に職業系のドラマだと、「実際はこんな仕事はしない」「こんなやり方、仕事じゃありえない」など、つい横槍を入れてしまうネットのコメントは多く見受けられます。
例えば現在放送中の「ドクターX」では、ただのフィクションにならないように、時事ネタを入れたり、専門家を医療監修にすることで現実でもありえそうな設定等を考えているようです。
もちろん創作と言いつつも、脚本家や制作側のご都合主義で無理やりな展開となった内容にツッコミが入ることもあります。いくらフィクションでも、ご都合主義ほど視聴者が置いてきぼりになってしまう状態はありません。フィクションという創作の世界でも、ありえないことを売りにしたり、何かを定番化させることで現実ではありえないことでもフィクションだからこそ楽しめるものもあります。
4.あの人たちは、実在しない!?
40年以上、TBS系列で続いた人気時代劇『水戸黄門』。黄門様がお供の助さんと格さんを引き連れて旅に行き、旅先の問題を解決するという勧善懲悪が特徴の物語でした。当然、『水戸黄門』を見ている人も見てない人も、このドラマの固定イメージがあるので、何となくどんな話なのか分かると思います。また、このドラマがあることで黄門様は本当に助さん格さんを連れて旅に出たと思っている方も多いのではないでしょうか。
しかし『水戸黄門』そのものは創作のお話です。実際、水戸黄門の主人公である徳川光圀という人物は存在しますが、ドラマのように諸国漫遊をしたという記録は確認されていません。作中では徒歩で旅をしていますが、実際は馬などを移動していたと言われています。
また、お供をする家来は実在したと思われますが、作中に出てくる助さん(佐々木助三郎)と格さん(渥美格之進)も、創作上の架空の人物なのです。
でも、あのドラマを観ている人の中には、徳川光圀は佐々木助三郎と渥美格之進を連れて旅に出たという事実が、あたかも本当の出来事であると思っているかもしれません。
これが、いかにフィクションを実話のようにもっていくのかということです。
いかがでしたか?
皆さんが見ているドラマは、あくまでフィクション(創作)であり、『ドキュメンタリー』ではないのです。でも、その創作が一つの娯楽であることに変わりはなく、その娯楽によって人を笑わせ、泣かせ、驚かせているのです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!